修羅場
「マツバ・・・もう、待てないと言っているだろう」
マツバはその言葉に目を逸らした。
「君にだいぶ前貸した金とその利子、今日返してもらう約束だったな?君が忘れる訳ないよな?」
「いや、その・・・」
「ん?」
「・・・僕も色々頑張ってみたんだよ?別に努力して来なかった訳じゃないんだ」
「・・・で?」
「悪いんだけど今月もスカンピンで」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・マツバ。・・・君が約束を破るなんて」
「ま、待てよミナキ!本当にお金ないんだよ!今週は托鉢でしのいだし」
「なんでないんだ?ジムリーダーなのに」
「ジムトレーナーさんに渡す分もあるし、維持費とかもかかるし、最近は少子化の煽りで挑戦者少ないし」
「それだけでなくなるのか?」
「うん」
「では聞くが、マツバ。後ろにある先日発売したばかりの「ゴーストポケモンの書全50巻」は何だ?」
「・・・それは・・・」
「・・・」
「・・・」
「マツバ」
「・・・なに」
「『お金がないっ!』って小説知ってるか」
「・・・ちょッ!」
***
たまにはちょっと女々しいのも・・・・。