髪
よくもまぁこんな恥ずかしいイラストを描くもんだね!
「ごめん。私はいつも口先だけだ。・・・本当にごめん」
どう答えればよいか分からなかった。いつもやるせない気持ちを抱えて、ただ待たされるだけ。
何度謝られても結局は同じ事だ。彼は行く。
本当に口先だけだ。
しかし、目の前で項垂れている男は僕のためにそんな泣きそうな顔をしている。
一体彼がどんな心境で此処に立っているのか、マツバは誰よりも理解しているつもりだった。
僕は君を罪悪感などで縛りつけたくはない。
「僕からしたら待つものが二つに増えただけだよ」
「・・・」
「『気にしないで』と言うとちょっと白々しいかもしれないけど、・・・口先だけで十分だよ」
「マツバ・・・」
「早く行きなよ。ずっと待ってるから」
不意にミナキの手がマツバの顔に伸ばされる。
「ミナキ?」
唇が髪に触れた。
「・・・なんで髪?」
「ここで君の口を塞いだら、まるで私がこの場を誤魔化してるみたいじゃないか」
「そんな顔でキスしても誤魔化してるなんて思わないけどなぁ」
思い出したかのようにごしごしと顔を拭くミナキ。
ぜんぜん、口先だけじゃない彼。
***
一歩間違えると、罪悪感でミナキュンを縛り付ける魔性の男マツバですね。いやん。
このシーンはマツバさんが座ってるとするとミナキさんがかなり苦しい体勢で、
どっちも立ってるとするとマツバさんは中腰でプルプルしてること請け合いです。
あえて黒い樹を描いたのは運命の呪縛!みたいな何かを表現したかったから。だ、断じて触手プレイではない!
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