壊れる前の夢
君が遠くへ言ってしまう前
わずかな時間だけでも
君を近くで感じられるなら
「ねぇミナキ」
「何だ?」
「・・・実はこの前、商店街にいったらね、福引券もらったんだ」
「ほう。それで?なんか当てたのか?」
「うん。当てたよ。非売品スイクンタペストリー」
「・・・・!!!ちょ、マツバ!」
「欲しいの?」
「欲しくないと言えば私は大嘘つきだな」
「いいよ、あげても。・・・・かわりに何くれる?」
「ふむ。私は君が喜びそうな物などあまり持っていないのだが・・・」
「・・・」
「よし!私が愛用しているちゃんちゃんこでどうだ!」
「・・・」
「どうしたマツバ。やっぱり嫌か」
「別にそれはそれでいいかもしれないけど・・・」
「けど?」
「この状況で普通その答えはないよね・・・」
水彩画。淡く塗ってみました。マツバの表情がお気に入りです。